27日深夜、『第七の封印』というドイツの哲学映画を見て、充実した気分で床についた。そして、クーラーの効いた部屋で熟睡していると、けたたましい電話のベルに起こされ、「はい。Iですが」と寝ぼけて返事をすると
「あ、ども、岡田です〜〜」。絶望的な気分に気を失いかけたが、なんとか気をとり直して、「どうしました?」と聞くと、「今から飲みに行けへんか」、時計を見ると12時半、さすがに遅いと思い、「もう遅いですし、ちょっと体調も良くないんで、また今度にしましょう」と断ると、         
「どないしたんや?」、「痔が治りかけてますんで、あまり無理したくないんですよ」と事情を説明。
「痔かあ。しゃあないな。俺もな、痔のつらさ分かるで。この前な、エレベーターん中でうんこもらした時な、抜き足差し足や。痔はつらいわなあ」
「そんなんといっしょにせんといて下さい!別にもらす訳じゃないんですから!」、「そっかあ。だって、異物があるんやろ?」              
「異物って言っても、痔核があるだけで、岡田さんみたいにパンツにうんこ出してるんじゃないんですから。よくもらすんですか?」            
「二回目や。最近やったら、二回目や。高校ん時も一回もらしたけどな。だけどな、痔もつらい思うけれども、うんこもらすのもつらいでえ。だってな、家ん中やったらいいで。外でもらしたらな、うんこもれてる時に、チンピラにからまれてみい。どない対処していいか分かれへんがな。『すんません。うんこもらしてますんで』って言うのも情けないし、走って逃げたら、パンツからはみ出しかもしれへんし、『おい、コラ!ウンコつけんぞ!』って怒鳴るのも、気違いと間違えられるかもしれへんし」
「心配しなくても、そんな状況、めったに巡り会いませんよ、一般的には。岡田さんの場合は知りませんが」                       
「何言います!Iちゃん!Iちゃんは、肛門のことが分かってない!肛門は素晴らしい!最近な、肛門に指入れてんねん。最初はな、上手に入らんかってんけどな、毎日続けてたら、第二間接まで入るようになったで。さっきもやってんけどな、簡単に入るわ」                       
「指入れて、何の意味があるんですか?」                   
「アホ!気持ちいいんや!坐薬も簡単に入るし。さっきもな、別に病気ちゃ うけど、坐薬入れて見てん。簡単に入ったわ。やっぱり慣れやね。そやけどな、男に指入れられるのは嫌やで。そんなん、絶対断るわ」 「誰も入れたがりませんよ」
「何言います!Iちゃん!Iちゃんもやってみ」                
「いいですよ。坐薬入れるのさえ嫌々やってんですから。なんで、わざわざ指なんか入れんといかんのですか」                      
「そっかあ、Iちゃんは痔やもんな。指入れたら痛いもんな。Iちゃん!人生の楽しみの半分を棒にふってるよ。この喜びが味わえないなんて」
「別に痔じゃなくても、入れませんよ。だけど、そんなにいいもんなんです    か?」                                   
「もう!最高!入れてるだけで、チOポが、もうっ!立ってきます。毎日練    習したら、だんだん入るようになるで。だけどな、この前な、焦ったで。もう『どないしようかな』思ったわ」                      
「どうしたんですか?」                           
「チOポが痛いんや」                            
「変な店でうつされたんちゃいますの?」                   
「おう。俺も性病や思ってな、性病になった連れ二人に電話して、なった時    の症状聞いたんや。二人とも『おしっこする時、激痛が走った』言うてた。俺のは、おしっこする時に激痛走れへんねん。ずっと痛いんや。オOニーし    てる時も痛いんや。『おかしいなあ』思って、よお見たら、かさぶた出来てんねん。『そう言えば、この前、無理してオOニーした時すりむけたんや』    って気付いたんやあ。Iちゃんも無理したらあかんで」             
「しません!そこまでして、しなくてもいいじゃないですか」          
「ちゃうんや。ビデオな、3本借りてきたんや。2本当たりやったわ。そんなん借りてな、なんぼ立たへん言うても、せなしゃあないやんけ。そんでなしゃあなしに頑張ったんや」                         
「岡田さん、真面目ですね」、アホらしと思いながら言うと、          
「Iちゃん!そんな褒めんなやあ。照れますがな!だけどな、俺はな、まめやで。自分の打ち込むこと、趣味とかな、そういったことにはまめやで。だってな、なんでも全力をつくしもしないで、『おもんない』とか『あきてしもた』なんて言う奴居るやん。俺は、そんな奴らといっしょになりたくないからな」                                  
さらに、氏は、今後も全力をつくし、第三間接まで入れれるよう励むと力説    しておられた。興奮して止まらない氏に「手が丸ごと入るようになればいい    ですね」と励ましておきました。「ズッポンズッポンや!」と力強くおっしゃられていたので、本当に入れてしまうかもしれません。            結局、2時半に氏が「俺、そろそろ寝るわ」と言うまで、理解しがたいお話を聞かしていただきました。当夜見た哲学映画による感銘はどこへやら。     氏が、しっかり手を洗われておられるかは定かではないので、氏から握手を求められても、決して応じないように。                    

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