97/09/01 I氏からのメールより 8月30日土曜日、大惨事でした。 7時に京橋で岡田さんと待ち合わせ。 岡田さんが「飲む前にラーメン食うわ。ラーメン食っといたら、なんぼ飲んでも酔わんからな。」とラーメンを食べるのを、近くのゲーセンで待つ。岡田さんが食べ終わると、近くの大衆酒場で魚をつまみに軽く焼酎の湯割りを飲みました。ここでも、岡田さんは焼き魚などバクバク食べていました。岡田さんが「久々にスナック行こうや。ボトル置いてある店あるねん。」と言うので、京阪に乗って関目に向かいました。『樹林』という小汚い店です。 店に入り、ボトルを出してもらうと、1/3ほどしか入ってない安物のOPです。「岡田さん。全然酒入ってませんやん。」と言うと、「俺、飲んだかな。ま、ええやないか。これ空けたら出よ。」 非常に異様な雰囲気のスナックで、客は全員ブルーカラー系です。ホステスも30前後の不美人で下品なのばかりです。カラオケで誰かが歌うたびに、ホステスがカウンターから出てきて、客と一緒に踊るという変なシステムです。私は気持ち悪く思い、「踊ってよ。」とホステスが来るたびに岡田さんにふっていました。岡田さんは「よっしゃ。!」と意気揚々とホステスと抱き合って踊っていました。 しばらくすると、ママさんが入ってきました。いきなり「しょんべん!うんこ!」と叫んでいます。きったないババアです。私は更に吐き気を催しました。 ボトルの酒が無くなり、「これで帰れる。」とホッとすると、「新しいの入れとこや。」と岡田さんがまた安物のOPを1本キープしてしまいました。私はママさんに絡まれるわ、買い出しに行かされるわ、一つ年下のホステスから口説かれるわ、さんざんな目に会いました。 岡田さんは「これ全部飲んでから次の店行こうや。」と新しいボトルも全部空けると言い出しました。ほとんど流し込むように酒を浴びている岡田さんを見ていると「先が見えたな・・・」とあきらめの気持ちになりました。酒が空になり、店を出ると、案の定、岡田さんは狂人になってしまっていました。 「ああっ〜〜!」と叫びながらシャッターにぶつかったり、木に登って「ミィ〜ンミィ〜ンミィ〜ン」と鳴いているし、駅前の芝生の上で寝ているし、手がつけられませんでした。 「次行こ!」と言うので、近くの焼鳥屋に入りました。 カウンターに座ると、横に座っているホステス風の女性2人組に 「おね〜いさんっ!」と絡みだし、女性は恐がって店を出ました。私は、謝りに行きました。 更に「店のにいちゃんいじめたるねん。焼鳥屋に無いもん注文するんや。」と、「あじのひらき!」と注文するのです。 私は店の人に「すみません。かなり酔っていますので。」と謝ると、 「いいですよ。こういうお客さんたまに居てるんです。だから、ひらきをよういしてあるんですよ。」とあじのひらきを焼いてくれました。とりあえずひらきを食べさせ店を出ると、店員が店から飛び出してきました。「なにごとか?」と思うと、岡田さんが店のジョッキと皿を手に持っています。岡田さんから食器類を取り上げ、店員に返し事なきを得ました。 「次行くぞ!」と、今度は岡田さんが以前勤めていた『礼子』というスナックに行きました。 「てっちゃん!どうしたん?久しぶりやねえ。」と歓迎されると、岡田さんも照れていまい、急におとなしくなりました。その店は、誕生日の客にはボトルをほとんどただ同然でキープしてくれます。岡田さんは誕生日ではないんですが、ママさんがサービスしてくれました。岡田さんは、以前勤めていたことや、みんなが親切にしてくれることもありおとなしいなあと思って、岡田さんを見ると、寝ていました。 閉店の時間になり、会計を済まし店を出ようとすると、岡田さんのTシャツが膨らんでいるのです。ママさんが「てっちゃん!何入れてんの?!」と言うと、 「いやあ・・・何も・・・」とうつむいているので、ママさんも「しょうがないわねえ。」と苦笑していました。 エレベーターの中で「なんでバレたんやろな?」などと間抜けなことを言うので、「何入れてんですか?まったく!」とTシャツをまくると、立派な花束が出てきました。 「持ってきたんや。便所にあったんや。」 「持ってこなくて宜しい!」 返しに行くのもやぶへびになるので、酔っ払いに花束を持たせたままビルを出ました。 ビルを出ると、自転車を一台一台倒すわ、車を蹴ってまわるわ、自転車の鍵をつぶそうとするわ、暴れるので、 「いい加減にして下さいよ!」と怒ると、その場に居ないんです。 近くを探すと、郵便ポストの上に乗って、 「ミィ〜ンミィ〜ンミィ〜ンミィ〜ン」と鳴いています。 「岡田さん!もう!ミンミンやめなさい!」とポストから降ろしました。すると、また自転車にいたずらを始め、たまたま鍵のかかっていない自転車を見つけました。そのまま、花束を持った酔っ払いは自転車に乗っていました。 夜中でしたが、非常に交通量の多い国道1号線に飛び出して車を止めるわ、止めた車に「しばくぞ、こら」などとわめいて蹴るわ、国道1号線を逆走するわ、「死んでしまうで。」とハラハラしながら見ていました。 しばらくして、歩道に戻ってくると、駐車してある自動車を蹴るわ、自転車を倒すわ、あげくの果てに止まっている高級車のサイドミラーをもぎ取ってしまいました。 私は顔がひきつり、無我夢中で走りました。それから、岡田さんの姿が見えないので、探すと、駅前で寝ている労務者にからんでいます。労務者が逃げていくと、近くの電話ボックスで女の子が電話しているのに気付き、ボックスに張り付いて「ミィ〜ンミィ〜ン」と鳴き出しました。 引っ剥がして「帰りますよ!」と岡田さんを家の方に誘導していると、急に自転車を全速力でこぎ出し、花束を持ったまま壁に追突するのです。そのまま転んで、壁に向かい「しばくぞ、こら」とわめいています。 壁への突進を3度ほど繰り返すと、急に走り出し、近くの西濃運輸のターミナルに入っていきました。 止まっているトラックを「しばくぞ、こら」と言いながら1台1台蹴ってまわると、今度は自転車から降り、花束を持ったまま、ターミナルの作業場に入っていきました。 「やばい!」と思ったときには、すでに時遅し。 「何してんですか」と作業員3人に囲まれていました。 「しばくぞ、こら」と花束を持ったままわめくので、作業員も手がつけられないと判断したのか、無視して作業を再開しました。 それからターミナルを出ると、「しょんべんするわ。」と言うので、「そこらへんでして下さい。」と言うと、 「ズボン履いたまましよっ!」 「やばい!」と私はまた咄嗟に走り出していました。 実際にしたのかどうかは分かりません。 それからまだいろいろ有りましたが、 「ええ加減帰りましょう。」と花束を持って自転車に乗った酔っ払いを家の近くまで送りました。 送った後、1号線に向かい、そこでタクシーを拾いました。 タクシーに乗り込むと、 「お客さん、あんたの連れ大丈夫か?」 そのタクシーはさっきからずっとその近辺を流していたので、一部始終を見ていたようです。 「大丈夫です。家に送っていきましたから。」 「危ないで。あんなことしてたら、はねられても文句言えんで。」 「そうですね、まいりましたよ。」 などと開放されたという安堵をもって話していると、 「ああ〜〜〜っ!!!」という叫び声が聞こえるのです。 道の横から花束を持って全速力で自転車が走ってきます。 「帰ったんちゃうんかい?!!」と目を見開いてしまいました。 そのまま、1号線を突っ切りどこかへ消えていきました。 その後、運転手とは会話もなく無言で家まで帰りました。 詳しくは、当日逐一小林に公衆電話にて報告していましたので、聞いてみて下さい。
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