労働生産性低下から考えたこと   2021.1.25(919字)



労働生産性が日本は先進国で最低だという。細かい内容の資料はないが、以前から言われているのはサービス業。長時間営業のわりには、売上げが伴っていないという。たしかに、平日にショッピングモールに行くと食品以外は休日ほど混み合っていない。おかげでゆっくり買い物はできるのだが。
ちなみに食品は働く女性が増えたことなどから、平日の少し遅い時間でも比較的来客は多いようだ。

ただ、ほんとうにサービス業のみが労働生産性低下の足を引っ張っているのだろうか?
お家芸で製造業はまだ高い生産性を保っているとのことだが、これはほんとうだろうか。ではIT系、システムを作るような仕事はどうだろうか。金融は?
詳しいデータが手元にないのでわからない。ほとんどイメージでの記述になるが、製造業でも本社などのホワイトカラーは生産性はそれほど高いとは思えない。実際営業部署にいた時代は少し前になるが、いまの間接部門から営業を見ても大きくは変わってないような気がするし、そもそもベクトルが「がんばって働いて売上をアップしよう」という雰囲気ではないように思える。

バブルが崩壊して「失われた20年」とか言われていたが、その後景気が持ち直した頃も、日本人は以前ほどの仕事への熱意は持てなくなっているのではないか。今や下手をすればパワハラやコンプライアンス違反になる。もちろん、過剰労働やメンタルがやられてしまうような仕事のやり方、もしくはそれを強要するのは絶対にあってはならない。
ただ、そういうことではなく、日本全体が「仕事の質を上げる」ということに向き合わなくなっている気がするのである。

これは空気感もあるし、能力も衰えているような気もする。いつからか、休みをとって遊びに行くことが良しとされるようになり、逆に仕事熱心なのはワーカーホリックと呼ばれたりするようになった。
おそらく、新聞やビジネス誌に登場する会社は、そのような気配は薄く仕事も厳しいものと推測する。ただ、全体の流れとしては、このような感じなのではないかと思うのである。

もっと工夫をしよう。仕事の質を変えよう。
多くの人がやりがいある仕事になるよう、上の立場の人間は勇気をもって提言しよう。
労働を悪と決めつけるのはやめよう。