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2001.10.11 鳥羽・賢島

Canon EOS7 EF28〜135mm F3.5-5.6IS エクタクローム ダイナハイカラー100


賢島


賢島


賢島


賢島


賢島


鳥羽


中ノ郷


中ノ郷


鳥羽


鳥羽


鳥羽


鳥羽
★第9回 人権フォトコンテスト第2部 佳作「この街が好き」


 以前から行ってみたいと思っていた鳥羽・賢島を訪れることができた。といっても、初めての場所でもない。過去何度も訪れているのだが、じっくり写真を撮ったことはなかった。

 チケットショップで近鉄の全線乗車券を安く手に入れることができたので、これ幸いと賢島行き特急に乗り込んだ。
 大阪から約2時間半で賢島に着く。平日の観光地は閑散としていて、駅構内がやたら広く感じられる。駅前の土産物屋も半数以上がシャッターを閉じていたが、これは不況による影響かもしれない。駅周辺を散策してみるが、どこか寂しい。やはり、こういう場所は休日に来るべきだったのかもしれない。

 賢島駅のすぐ西側に「志摩マリンランド」という施設がある。ちょうど遠足らしき小学生の団体が、見学を終えて駅に戻るところだった。入れ替わりその施設に向かうと、もう他に団体らしき客もなく、ここも閑散としている。2階のレストランは貸し切り状態で、注文したラーメンが来るまでテーブルの日だまりを撮ってみる。

 あまりにも寂しすぎるので、鳥羽に戻ることにした。発車直前の特急に乗り、30分間体を休める。この区間は、各駅停車より特急のほうが本数が多い。

 鳥羽駅の東側に降り、国道167号線を越えてイルカ島めぐりの遊覧船が発着している港の方へ向かう。堤防では釣りを楽しむ太公望の姿があり、僕のもっとも好きな海の風景である。ただ、あたりまえすぎて写真を撮るには難しい。
 その堤防から海沿いに南下すると、15分ほどで鳥羽水族館に着く。もちろん水族館には入らない。外から写真を撮るだけだ。この水族館の横にフェリーターミナルがあり、伊良湖方面にフェリーが出ている。

 ターミナルの向かいには、中の郷という小さな駅がある。鳥羽のひとつ賢島寄りの駅で、特急は停まらない。夕方のいい時間になってきたので、旧市街を撮影しながら鳥羽駅へ戻ることにする。その旧市街地方面へ向かっていると、中の郷駅で小学生の女の子ふたりが、なにやら池をのぞきこんでいる。
「なにかいるの?」と聞くと、魚が泳いでいる、と教えてくれた。その場で何枚か写真を撮らせてもらい、しばらく話をしていると、鳥羽駅まで案内してあげるという。

 物騒な時代だし、カメラをもったおっさんが女子小学生2人と歩いてなんかいると、警察とかに通報されるんではないかと、ちょっと気にはなった。が、とても強く勧められたので、そのまま連れていってもらうことにした。
 彼女たちは、僕が望んでいた旧市街地方面とはべつ方向の、小さな山を越えるルートをすたこら進んでいった。こちらは歩き疲れて少々バテ気味だったが、おかげでよそ者は通らないような裏道を堪能することができた。途中、彼女たちの担任の先生に会ったときは、どう説明していいものか迷ったが、明るく挨拶をかわして事なきをえた。
 後半のフィルムは、ほとんど彼女たちが写っている。今もそのコマをルーペで眺めていると、楽しい会話がよみがえってくるようだ。いい思い出を、ありがとう。