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2001.3.11 東大阪・布施〜石切

Canon EOS7 EF28〜135mm ネオパン 400 PRESTO


布施


布施


布施


布施


石切


石切


石切


石切


石切


石切


石切


石切


石切

東大阪・石切

 駅を降りると、ずいぶんさびれている。予想外の静けさに、一瞬「降りる駅を間違ったかな?」と思う。しかし、「←石切神社」の文字があるので、間違いではなさそうだ。
 表示に従って、坂を下る。ここは、生駒山系のふもとに位置するが、それでも駅からは大阪平野が一望できる高台にある。近鉄奈良線も、この駅を出てすぐにトンネルに入る。出口は奈良県だ。

 線路沿いに坂を下ると、にぎやかな町並みが現れた。どうやら、こちらがメインの改札口らしい。
 さらに少し下ると、両脇に店が並び、クルマが通れないような狭い道が坂の下の方へと続いている。いかにも参道らしい風景だが、少し歩き始めて違和感を感じた。あやしい店が多いのだ。霊感やら占いやら、得体の知らないものを置いている店など、どう見ても普通の参道ではない。
 まあ、おかげで被写体は山のようにあるということになるのだが。
 石切神社は坂の下の平野部にあり、駅から1kmはあろうかと思うのだが、あやしい店のおかげで、全く退屈しないですんだ。

 あとで聞いた話だが、なんでもこの石切さんは中年以上の女性が多く訪れていたらしく、衣料店もそういう品揃えだった。しかし、ここ数年、普通の店が閉まり、占いやら霊感の店が増えているという。話のネタに手相をみてもらったのだが、その占い師が言うには、店の数はこの1年でも倍増の勢いらしい。ますますあやしい。

 ちなみに、みてもらった結果だが、人間的にはけっこう的を射ている様子。会社のことを聞くと「秋の状態です」
おいおい、今でも十分しんどいのに、これ以上悪くなるというのか? 否定しきれないが・・・。
 料金は、手相のみで1千円。姓名判断込みなら2千円。上限は果てしなさそうだ。

 ただひとつ、印象に残った風景があった。不気味な木を真剣になでている親子がいた。娘らしい女性は20歳前後だろうか。何かいわれのある木なのだろう。なにげなくその不気味な木を眺めていると、母らしい人がささやく声が聞こえた。
「あなたの病気がはやく治るといいのにね」
現代医学をもってしても解決しない病気は山のようにある。不幸にも若くしてわずらったであろう彼女の苦しみは誰にもわからない。信仰があやしさを漂わせているといえども、それで少しでも心安らぐことがあるならば、誰が彼女のことを笑えるだろうか。

 そのあと、僕は、一歩下がってこの参道にレンズを向けた。